TPC(舌姿勢補正器)でTCH治療 4 患者アンケート

最近セットした患者さんにアンケートをお願いしました
      (最下部のリンクよりアンケート結果をご覧ください)

思った以上に効果が出ているようで嬉しいというよりも驚きました
来年はもっと積極的に自信を持って症例を増やしたいと思っています
そして、多くの先生にも認めていただいて、患者さんに使っていただけたら嬉しいです

TPCをセットすると舌の位置が修正されますが
しだいにTPCを外した時も舌の位置が補正されている様になるようです
うまくいけば、最終的にはTPCがなくてもOKになりそうです
あいうべ体操などの舌の運動などを併用されたら、もっと安定すると思います

TPCのポイントは舌先を切歯乳頭付近にもってくることですので
それ以外はあまりこだわる必要がありません
ですから通常のマウスピースや上顎義歯にも
簡単にTPCの機能を付与することができます

「おしゃぶり」からヒントを得たので
TPCのキャッチコピーを「見えないおしゃぶり」としましたが
「噛めないバイトプレート」か「噛まないバイトプレート」も
意外性があって面白いかなと思うようになりました

以下のリンクをクリックするとアンケート結果をご覧になれます
術前、術後を併記していますが、赤のマーキングが術後です

 

アンケート結果

 

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TPC(舌姿勢補正器)でTCH治療 3 セット方法

TPCをセットする時にまず気をつけることは
とにかく対合歯に当たらず、咬合に関与させないように調整することです
次に、舌に当たる部分が、舌に対して受け入れられる形態かということです
研磨がしっかりされていれば、殆ど問題はないと思います

そして、暫くの間は舌先をTPCに当てるように意識してもらうように指導して下さい
また、就寝前には「寝ている時に舌先があたっていますように」と
1分位お祈りするようにご指導下さい。

最近は歯軋りや食いしばりをする方が多いので
夜にも使える大きなタイプばかりになりました
ピンクレジンの部位は削合可能な部位です

TPC11

そのために昼は少し喋りにくいけど仕方ないです
日中のTCHの患者様も夜間の歯軋り、食いしばりもありえますので
大きい方がいいかなと私も思うようになりました
大きいのを削って小さくするのは簡単ですから

最後に、TPCだけでなく舌の体操をしていただいた方がいいですね
岡崎先生の松風の連載にもありましたが
今井先生の「あいうべ体操」はおすすめです

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また、大きくてもまだ心配される患者様には単純鉤を最後臼歯にかけるとか
上顎全歯の唇側、頬側に連続して接する弧線を使えば良いと思っています

 

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TPC(舌姿勢補正器)でTCH治療 2

                                                                                                      患者アンケート結果へ

 10年以上前からおしゃぶりがTCHにかなり効き目があると思ってきたのですが、説明してもやはり人目が気になるのか、家の中でも実際にしてくださる方は少なかったです。それで英語の切歯音で習った 舌を前歯に添える 方法なども伝えるのですが、こういった方法はTCHに対して問題意識が強い人でもすぐに忘れてしまい、なかなかうまくいかなかったので、「奥歯を接触させてはいけない」ことを思い出させる仕組み(リマインダー)をうまく作れるかがキーポイントになっていました。医科歯科の木野先生が推奨するポストイットを利用する方法は、人に知られても良い場合はとてもいい方法だと思います。とにかく五感を駆使したリマインダー作りが大切でした。

 ところで、私は歯科医師になってすぐに総義歯が好きになりました。その理由は私が作った総義歯を患者さんは気に入らないと、すぐ外してしまうからでした。それでは悔しいので、いかに患者さんが総義歯をはめるように作るか、修正するかを考えるのが楽しかったからです。大げさに言えば患者さんと勝つか負けるかの真剣勝負です。こんな関係は他の歯科治療には無いと思います。

 そんな総義歯にまつわる戦いの中で、一番難しい総義歯患者さんは顎関節が安定せず、舌の位置や姿勢に問題のある人だと思うようになりました。それから顎関節に興味をもつようになり、顎にまつわる研修会を多く参加するようになりました。当時は顎関節治療は大変な割には報われないことが多く、なるべく大学や口腔外科に送り、外科手術や補綴治療をしてもらい、自身では手を出さないのが賢明と考えられていました。しかし、紹介しても治療成績はあまり芳しくないと聞いていたので、好奇心旺盛な私は何か他の方策が無いかと調べていましたら、チャールズ・マクニールに辿り着き、自分の考えに近い内容だったので大変嬉しかったです。

 それ以降もウロウロと模索しているうちに、カウンセリングにおいて、石幡伸雄先生の影響を受けた噛み癖の説明とTCHなどの説明をすることにより、治療結果がそれなりに向上してきたので満足していました。それでももっと能動的にできる治療法が他に何か無いかと考えていたら、今回の見えないオシャブリをふと思いつきました。どうしてもっと早く思いつかなかったのだろうという位、とても単純なものです。でも検証を重ねてみると、我田引水ですが有効だと思えるようになりました。

 舌に当たる突出部の形態と舌との関係は微妙ですので、ご自身で経験していただきたいと思います。おそらく突き詰めたらかなり難しいはずです。ただ幸いなことに、患者さんはそれほど難しい要求はされませんので、とにかく舌が軽く当たりやすいように調整して下さい。研磨は大切ですが、突出部の内斜面に小さな突起を付けた方が舌を誘導しやすい場合もあります

 私はアカデミックとは無縁の、どちらかと言えば一人よがりの田舎の臨床家ですので、間違った内容があるかもしれません。ですので、ぜひ、多くのご助言、ご批判をいただけたら嬉しいです。

 よろしくお願いします


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TPC(舌姿勢補正器)でTCH治療 1

 私は顎関節に25年以上興味を持って臨床に携わってきましたが、 1年ほど前から臨床応用している低位舌を改善する器具をご紹介させていただきます。主にTCHや歯軋り、顎関節症の症状緩和にと考案しましたが、低位舌は多くの問題を起こすので、SAS(睡眠時無呼吸症候群)、ドライマウス、嚥下障害などにも応用し始めています。ただ症例はそれほど多くはありません。名称はまだ決まっていませんが、ここでは暫定的にTongue Posture Corrector舌姿勢補正器、以後TPC)と称します。ちなみに愛称は「見えないおしゃぶり」です。いきさつは後日ご説明します。

見えないおしゃぶり 見えないおしゃぶり

 上の写真ではポイントになる突出部をわかりやすくするために透明レジンに赤色をペイントしています。また黒線はより小型の昼間用タイプの概形を示しています。

 さて、TPCは口蓋床部の切歯乳頭付近の位置から下方に向かって突出する突出部が設けられているため、舌尖が突出部に当たりやすくなります。

TPCzu

2…口蓋床部、3…突出部、102…切歯乳頭

 舌の位置が正常な人は、上記左図に示すように、安静時において舌背は口蓋の形に沿った位置にあり、舌尖は切歯乳頭に軽く触れるか、近接している。そして、上下の臼歯はごくわずか離れていて当たっていない。

 一方、歯牙接触癖(TCH)を有する人は、上記中図に示すように、舌の位置が下方に下がるという、いわゆる「低位舌」になっていることが多く、舌背と口蓋との隙間が大きくなり、舌先も切歯乳頭に接触しづらくなっている。このため口蓋と舌背との隙間が大きくなり、この隙間を補正しようと、無意識に下顎を挙上させようとする傾向がある。その結果、上下の臼歯等の歯列が接触することとなる。

 TPCは切歯乳頭の位置から下方に向かって突出する突出部が設けられているため、「低位舌」になっている人でも、TPCをセットすると軽い違和感により舌が動き、上記右図のように無意識に舌尖が突出部の内面斜面に接触しやすくなることにより、舌は本来の位置近くへ誘導され自然に低位舌の状態が改善することが期待できる。その結果、上下顎の臼歯が離れやすくなる。このため、顎の周りの筋肉の緊張が減り、胸鎖乳突筋や僧帽筋などが補佐する活動も減るので、頭頸部や肩が楽になることが期待できる。

 TPCの口蓋床部が上顎の最後臼歯まで沿うものであれば、装着されたTPCが外れにくいという利点を有する。このため、就寝中にも外れにくいことから、歯軋防止や無呼吸症候群の症状緩和(低位舌が矯正されることにより、気道が広がりやすくなり、その結果、無呼吸症候の症状が緩和される)の目的に用いることができる。

 一方、TPCの口蓋床部が上顎の小臼歯付近まで沿うものであれば、小さいので装着感が良好で使用者に違和感を与え難く、長時間の装着でも使用者に苦痛を与え難く、就寝時以外の時間にTCHを防止する目的として用いることができる。また着脱が極めて容易のため、TPCの最大の欠点である発音障害を、舌が器用ならばある程度克服できる。

 なを、開咬など咬合異常のある場合は、使用者の歯列の形状や咬合異常の状況等に応じて、適宜突出高さや全体の形状をカスタマイズして下さい。

 ところで私がネットで調べた限りでは 同じコンセプトのものはなかったですが、もしも既に同じような装置を存在するならば、ぜひお教え下さい。

特徴としては

  1. 咬合面を覆わないので、装着感が良い
  2. 咬合面に邪魔なものがないので、噛もうと思えば普通に噛める
  3. 装着しても外観は変わらない、但し発音しにくいので喋ると気づかれやすい

 でも、こんな簡単な器具で本当に効果あるの?
と疑問に思われるはずですので、ぜひ、ご自身がTCHや歯軋りでお悩みの先生に、実際にTPCを作っていただいて自ら検証いただければと思います。そしてご助言やご批判をいただけると嬉しいです。もちろん患者さんに応用して頂ければなお嬉しいです。

 即重レジンと好奇心さえあれば簡単に検証できますので、ぜひお試し下さい。そして、ご質問がございましたらメールをお送りください。TCHや歯軋りでお困りの患者は多いので、もしもこの装置が有効ならば、多くの患者に使っていただきたいと思っております。

 すべての患者さんがうまくいく訳ではないので、セットしてうまくいかない患者さんにはTCHの説明を再度して理解を深めてから「慣れるまで意識的に突出部に当てるように」とお願いして下さい。

 どうぞ、よろしくお願いします

おしゃぶりのススメ(顎関節症、TCH)

顎関節症の患者様にはいつも説明している事なのですが

お口に食べ物が入っていない状態の時、つまり空っぽの時に
上下の奥歯がお互いに触れていないことがすごく大切です

それをしないようにするために、いろいろな対策をお伝えしてきましたが
なかなか癖を是正するのは難しく改善しない方も多く、最終的に辿り着いた方法は?

難しく言えば、舌の位置と下顎の位置が大切なのですが
一番簡単な対策は、ナント、おしゃぶりを咥える なんです

oshaburi2

このオッサン頭イカれてるか?
と思われそうですが、本人はいたって真面目にやっています
他にもやり方は有りますが、すぐ入手できて極めて安全な器具ですので
この方法をご自宅で実行することをおすすめしています

外出時にはおしゃぶりがある時と同じように
舌や下顎の位置を保つようにして下さい

エアーギターというものが遊びが有りますが
それと同じくおしゃぶりは無くても在るか如く
エアーおしゃぶりして下さい

ただ、診療室でこの方法を患者様にお伝えすると、みなさんビックリされます

ですが、おしゃぶりを咥えると自然と舌の位置と下顎の位置がかなり良くなります
あごが痛い、奥歯が痛い、首や肩が凝る、頭が痛いなどの時に
騙されと思ってご自宅でおしゃぶりを咥えてみて下さい

タバコのフィルターとか細めのチューブで代用できます

かなりの方が効果を体験できるはずです

顎関節症は忙しい時、体調の悪い時、下を向く時間が長い時などに
症状が出ますので、ぜひお試し下さい
とくに真面目に黙々と仕事をする人に症状が出やすいです

 

最後に顎関節症は極めて簡単に言えば
1 奥歯ばかりで噛んでいると下顎が後退して悪化します
2 前歯で噛むと下顎が前進するので治りやすくなります
ですので前歯で噛むことを意識して下さい

 

また、知人に教えてもらった別の方法ですが
お経のごとく ナ~ と籠った感じで声を出すといい位置をキープできるそうです

私も試してみましたが、なるほどと思いました

無意識の噛みしめ TCH (Tooth Contacting Habit)


 ちょっと前にTVで東京医科歯科大学の木野先生が無意識の噛みしめをTCH(Tooth Contacting Habit)と称して解説する番組がありました(木野先生は少し違うとおしゃるかも知れませんが・・・)。おそらくこの癖を大々的に取り上げたことはTVでは初めてだったと思うけど、10年以上前に歯科界で話題になった事が、やっと周知される可能性が出てきて大変嬉しいです。私は20年近く同様の内容を患者様に説明してきたので、ちょっとは話す手間が減るのではと期待しています。実は話を始めると少なくとも15分はかかるのでスタッフには迷惑をかけてきました


 私が1996年に初めて自分のHPを作ったきっかけが無意識の噛みしめを多くの方に知っていただきたいからでしたが、当時はまだ顎関節治療においてマイナーな考え方でした。それで少しでも周知しようと一念発起して、マックのワープロでHTMLと格闘しながら作ったのが懐かしいです。あの頃はPCやインターネットの黎明期で、ホームページを作るソフトもなかったし、ブラウザーもネットスケープだったかな?でも、とにかくMacを触っているのが楽しくて、目を腫らしながら一気に作り上げました

 

番組のおおよそはここを見て下さい
TCHとは      次世代の顎関節治療を考える会

私のHPはここ            当時作ったままですね
無意識のかみしめ.pdf     以前広島県歯科医師会の雑誌で発表したもの


 私が強調したいのは、頭痛肩こりなどの症状があるけど歯科的に症状があまり出なくて、顎関節症と診断できるまで悪化していない予備軍がものすごく多いのに、みんなが知らないためにかなりの社会的損失があることです。例えば事務系の職場では多くの時間下を向いて仕事をするために、その職場のスタッフの多くが無意識の噛みしめ(Tooth Contacting Habit)をされていて、職場の能率をかなり落としていると思っています

 歯を当てないように気づかせるシステム(Reminder)作りが大切で、TVではポストイットを使った方法が紹介されていました。とても良い方法ですのでぜひ実行してみて下さい。さらに視覚、聴覚など五感に訴える方法を自分で工夫して下さい。私のおすすめは外出先でも有効な腕時計の時報鳴らしと変わった色のマニュキュアを塗ることです

 

REO Speedwagon      I can’t fight this feeling anymore
久しぶりに聞きましたがやはりいい曲ですね

 

                                      広島県三原市 河田歯科医院