歯科インプラントQ&A(9)

Q
CT検査は必要ですか?

A
河 田歯科医院ではCT検査を全症例に撮ろうと思っていますが、絶対に必要かといわれると困るるところもあります。非常に簡単な症例ではなくてもできるでしょうし、CTがインプラントに使われるようになるまでは、当然CT画像なしでオペが行われてきたわけです。現在はより確実に、安全にとCTを利用するようになってきている過渡期ですので、CT利用に関してはいろんな考え方が存在します。河田歯科医院のように医科でCT撮影を依頼して、受け取ったデータを分析する歯科医院と、歯科用CT(コンビームCT)を購入して撮影&分析する歯科医院があります。もちろん自医院に設置してあるほうが良いのですが、
歯科医院としては極めて高額ですので、残念ながら未だ河田歯科医院では導入できていません。

Q 
上顎前歯のインプラントは見た目を回復するのが難しいと聞きましたが・・・

A

はい、前歯の付け根から歯肉の部分の見た目を回復するのはなかなか難しいです。そのためにいろんなテクニックが開発されていますが、手術回数、期間、費用など患者様の負担が多くなります。そんな状況ですが、手術法やアバットメント(インプラント体につなぐ被せの土台にあたる部分)などの工夫により比較的に簡単に見た目を回復できる方法があり、河田歯科医院では積極的に採用しております。

 下の写真でインプラントはどれでしょうか?

骨が薄いので歯肉の安定が得られにくい症例です
歯科医ならすぐわかりますが、患者様だとわからないかもしれません

22implant.jpg



 

歯科インプラントQ&A(8)

Q 
インプラントにかぶせる冠はしっかりと合着しないの?

A
河田歯科医院で主に使用しているインプラントは、インプラント体(骨の中に植え込むもの)にアバットメント(土台)をネジ止めしてでかさ上げします。ネジ止めすることによりいろんな対応ができる利点がありますが、ネジが緩む危険もありますので、冠をしっかりと合着することができません。そのために仮につけておくことになります。弱い接着剤を使ったり、ネジで固定したりいろいろな対応法があります。


Q 
インプラントのネジが緩むことはあるの?

A

前の質問と関連しますが、インプラント体(骨の中に植え込むもの)にアバットメント(土台)をネジ止めするときに、専用の締め付け器を使います。メーカーによって違いますが、河田歯科医院で使っているHAインプラントでは30ニュートンの力で締め付けるように規格化されています。

規格を守れば緩まないことになっていますが、実際は緩むこともあるようです。ですので、冠を合着するすることはしません。

もしもインプラントが動いてきたと感じましたら、すぐにご来院ください

インプラントの周りの骨が無くなって動くようになったか、ネジが緩んでアバットメントが動くようになったかどちらかです。ネジならば締め直せばすぐに治ります。でも、そのままでいると、力がネジに集中してネジが折れてしまうことがあります。もしも折れると非常に厄介なことになりますので、ご注意ください。

 



 

歯科インプラントQ&A(7)

Q 
すべてインプラントにして、総義歯を回避することは可能ですか?

A
可能です。ただ一番の問題は治療費がかなりかかります。通常は6から8本のインプラントを植え込んで。その上にブリッジをかぶせます。費用は最低でも片顎で200万円以上になります。ただ、最近オールオンフォーという4本の少ないインプラントでやる方法も出てきました。条件が合えば可能だと思いますが、いろんな考え方が違うので本院では採用する予定はありません。

いずれにしても高額ですので、よく検討してからオペしてください。

Q 
植え込んだインプラントが骨についたかどうか、どうやって調べるのですか?


A
ピンセットなどを使ってインプラントを揺すって動揺度を調べます。ただこれは術者の主観が入りますので、専用の機械を使うことが望ましいです。本院ではぺリオテストという機械を使います。

 

PeriotestClassic.jpg


20年以上前からある機械ですが、インプラントの動揺度を測るスタンダードになっています。機械が自動でインプラントを軽く叩き、そのときの振動を計測します。

 

歯科インプラントQ&A(6)


インプラントをした後はどうするのでしょうか?やはり時々は歯石を取っていただいたほうがいいですか


インプラントの寿命を伸ばす為には、適切なメンテナンスが欠かせません。インプラントでも細菌感染によって歯周病と同じような状態が起こりますのでご家庭でのブラッシングと定期的なクリーニングが大切です。また、インプラントの咬み合わせの状態は変化しますので、定期的に行うメンテナンスが重要です。 3ヶ月毎のメインテナンス受診をおすすめします。

 


インプラントって自分の歯のように噛めますか?


経過が順調なインプラントは自分の歯と同じように噛めます。インプラントはインプラントを入れてからしばらくはインプラントを噛む刺激により、インプラント周りの骨がしっかりしてきますので、骨植はより強くなります。もしも噛めないとなると、何らかの問題がある可能性がありますので、医院にお申し出ください。

 

 

歯科インプラントQ&A(5)


最近は歯を抜いた日に、インプラントを埋め込むことができるようになったと聞きましたがどうなんでしょうか?抜歯即時埋入インプラントと言うようですね。


以前は際物扱いでしたが最近は風向きが変わってきました。インプラントメーカー各社が抜歯即時埋入用の製品を揃えてきました。河田歯科医院はその中でも特に優れていると評価されているHAタイプのインプラントを使用していますが、最近人気急上昇中でマイナーからメジャーになりつつあります。他のインプラントメーカーも同様のHAタイプの製品を出して追従してきています。
抜歯してすぐにインプラントを埋入すると、オペの回数が少ないだけでなく、骨のロスが少ないなどいろんなメリットがあります。
こちらも参考にしてください。

 


インプラントって何年くらい持ちますか?


私が最初にインプラントを手がけた25年ほど前は、5年持たすことが最低目標でした。その後10年が最低目標になりしました。最近は10年はほとんどクリアできるようになり、何年持たすというよりも、より難しい症例を見た目よく、苦痛を少なく、短期間になどという目標に変化してきたと思います。ですから今は普通の条件ならば何年持つという心配はされなくていいでしょう。それよりも口腔清掃の徹底と定期検診の継続をしてください。それで十分でしょう。

 

 

歯科インプラントQ&A(4)

Q 
私は上の奥歯にインプラントを植えたいのですが、骨が少ない場合はインプラントができないと聞きました。本当でしょうか?

A
上の奥歯の場合は上顎洞という骨の空洞が問題になります。蓄膿症(副鼻腔炎)の時に膿が溜まる場所ですが、最近ではオプションの処置をしてしっかり対策すれば殆ど対応できるようになりました。サイナスリフト法やソケットリフトといわれる処置です。河田歯科医院ではHAインプラントと相性が良いので手術が簡単に済ませられる、患者様の身体的負担が少ないソケットリフト法を採用しております。ただし、
高度なインプラント治療にはCT撮影は必須ですが、おかげで上顎ではインプラントができないケースは激減しました。

 

Q 
インプラント手術って骨に穴を開けて埋め込むのですね。考えるだけで痛そうですが、どれくらい痛いのでしょうか?
A
インプラント手術は骨に穴を開けますので、すごく痛いイメージが私にもありましたが、実際のところ骨は意外と痛みを感じないものです。もちろん痛みに対する感受性は個人差があるので、ばらつきはありますけど、骨よりもむしろ歯肉を剥がす面積の方が痛みや腫れに関係します。ですから、最近は歯肉を剥離しない手術法が注目されるようになりました。すべてのケースで可能というわけではないですが、CTの3D画像を利用して以前よりは安全に適応することができるようになりました。もちろん河田歯科医院で採用しているHAインプラントはこの歯肉を剥離しない手術法、フラップレス手術法にも適したインプラントで手術時間の短縮、術後の痛みや腫れの軽減が望めます。

 

歯科インプラントQ&A(3)

Q 
タバコを吸っているとインプラントの成功率が悪くなると聞きましたが本当でしょうか?

A
簡単に言えば本当です。喫煙が健康に与える影響については多くの研究があり、 喫煙の血管収縮、血流阻害、白血球の機能障害などがインプラント治療に悪影響を及ぼします。非喫煙者に対し、喫煙者は
2倍近い失敗が見られたという報告もあります。 インプラント治療期間だけでの喫煙でも成功率を高めると言われていますので、この機会に喫煙されたらいかがでしょうか?

 

Q 
歯が抜けたままにしていると噛み合せが狂って、顔が変形すると利きましたがそんな事が起きるのですか?

A
本当です。ですから抜けた部位を何かの方法で補填する必要があります。義歯、ブリッジ、インプラントが考えられますが、費用を考慮しなければインプラントがお奨めです。特に初めての歯の欠損ならばイチオシです。その訳は他の歯に迷惑をかけないからです。他の方法は何らかの迷惑を与えるので、迷惑を受けた歯の寿命は短くなります。歯が抜けるたびにインプラントをして、メインテナンスをしっかりすれば、8020も簡単に達成できると私は思います。ですから長期的に見ると、インプラント治療は贅沢な治療はいえません。おそらくトータルコストはあまり差がないのではと思います。

歯科インプラントQ&A (2)

Q インプラントをした後はメインテナンスが必要と聞きましたが、これも費用が高いのでしょうか?

A
インプラントを意識する必要はありません。ご自身の歯と歯肉のために2~3月ごとにPMTC(歯のクリーニング)をお受けになられることをお勧めします。これで十分です。費用もインプラントがあるからといって高くはなりません。通常と同じく保険診療です。


Q インプラントを埋め込んでから、冠が入って噛めるようになるにはどれほどの期間がかかりますか?

A 
治療期間は骨の状態や抜歯即時埋入かどうかで左右されますが、下顎の場合は通常2~3ヶ月位、上顎の場合は2.5~3ヶ月位で歯を装着することができます。ただし、抜歯即時埋入やサイナスリフト法を使った場合は、上記期間にプラス1~2ヶ月となります。本院が採用しているHAインプラントは治療期間を短めにできる優れたものです。

歯科インプラントQ&A (1)

不定期でインプラントのQ&A を書いていくことにしました

Q インプラントって骨に穴を開けて入れるそうですが、安全性は大丈夫でしょうか?

A
インプラントを入れること自体は特に問題は起きていないようです。一番問題になるのは下の奥歯にインプラントを入れる手術時に神経や血管が入っている管(下顎管)を損傷することです。それを防ぐために、普通の平面的なレントゲンだけでなく、立体的に把握できるCTの利用が望まれます。CTを使っても完全とは言えませんが、安全性がかなりアップするのは確かですので、全症例にCTを使うようにしたいと思っています。


Q インプラントをするメリットは何でしょうか?

A 
私が一番のメリットと思うのは、1本歯が抜けた時に、代わりにインプラントをすぐ入れるケースです。普通は両隣の歯に負担を強いることになり、結果的に両隣の歯の寿命を短くしてしまいます。インプラントだと負担を強いないので、1本の歯を失っても、歯列全体への悪影響が少なく対応できます。このことが歯列全体が長持ちすると思います。患者様的には取り外しの義歯にならざるを得ない場合でも、義歯の代わりに対応できることがメリットに感じられると思います。