今日で、やっと歯科検診が終わりました。私は中学校を担当していますが、近頃は虫歯はめっきり減りました。代わり増えているのが、歯肉炎、歯石、不正咬合、顎関節症です。これらは全く別の疾患ですが、共通する原因によるものと私は考えています。
その原因は意外にも「前歯で噛まない」ことだと私は考えています。そんなことが原因になるの?と思われるでしょうが、今の日本の子供は前歯で噛むことが非常に少ないのです。その理由は、言いにくいですが母親にあります。我が子を思うあまり、食べやすいものを与えすぎていると思います。
食品を食べやすい大きさに切ってしまうので、前歯(切歯)の仕事が無くなっています。幼稚園児のお弁当の中身を見れば、びっくりするほど一口サイズばかりです。使わなければ発達しないので、問題が起きてきます。「小さな親切、大きなお世話」という皮肉がありますが、まさにその通りの現象が起きています。
前歯で噛まないと
1顎が発達しないので、歯並びが悪くなります
2下顎が前に出ないので、噛み合わせが深くなります。下の前歯が上の前歯に覆いかぶされて見えない、過蓋咬合になります。
3食べ物の流れが悪くて、歯肉がマッサージされないために腫れやすくなります
4食べ物の流れが悪くて、下の前歯の裏に歯石がつきやすくなります
5下顎が偏位しやすく、不安定になります
ぜひ、乳児、幼児、幼稚園児、小学生に前歯で噛む習慣をつけていただきたいと思います。
多くの疾患が改善すると思います。
歯並びに大切なキーワードは「硬い物と」殆どの母親は考えていますが、実は「大きな物」なのです。一口サイズではなく、前歯で噛み切るサイズで与える大切さを知って欲しいです。
そして、こんなことも補助的に効果があります。 チューブ噛み
最後にもう一つの問題は、小学校高学年から塾に行くお子さんが増えるのですが、塾に行くようになると、食事が不規則になり、飲食の回数が増えます。さらに、親も「勉強しなさい」と言うことが増えて、代わりに「歯を磨きなさい」という機会は激減します。これにより口腔内は厳しい環境になります。ご注意ください。
一日1回はしっかり磨くことは実行させてください。
時々は手鏡を見ながら歯を磨くことをお勧めします。レベルがグーンと上がります。