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食べる時や唾を飲み込む時、また立ち上がる時や重いものを持つ時に噛むのは構いません。問題なのは何気なく噛んでいることで、噛む強さは余り強くありませんが、時間が長く休憩が無いので負荷は大きいのです。逆に、食べる時は噛む瞬間に大きな力がかかりますが、すぐに開口するので意外と咀嚼することは余り口腔系に負担はかからなくて、噛みしめの方が大きな負荷がかかり問題になるという研究が報告されています。私も同感です。
それとほとんどの人が噛みしめることの害を知らないため、噛みしめていることさえ気ずかずに自分自身を悪くしているのです。また睡眠中に噛みしめれば、これは歯軋りの一種で、そしてさらに横にずらせばギィーと音がして他人に迷惑になります。歯軋りは噛む力がもの凄く大きいので害は測り知れません。ところが歯軋りと噛みしめの2つとも生体にとっては必要な行動で口腔の一番の仕事になっているという考えもあります。この考えがおもしろくて支持したいと思っています。このあたりのことはまだ未知の分野で、そのために今のところ歯軋りを完全に治すことは誰もできないと思います。ですから、この紙面では起きている時に限定して対策を説明します。
第一に、下を向くと顎が閉じやすく噛みしめやすいのですが、文字を見たり、細かい手作業をすることが多い人は注意が必要です。コンピューターもですよ。赤ちゃんのいるお母さんも授乳時や世話をする時に下を向きますので気を付けてください。また体調が悪い時も下を向きやすいです。
第二は、仕事で重たいものを持つことが多いとか、球技や格闘技などのスポーツでは噛みしめることが多く問題になりやすいです。
第三は、日本のように過密でスピードの早い国ではゆとりがないので、ストレスが発生しやすく、知らないうちに噛みしめてストレスに対処していることが多いです。新しい環境に変わった時も以外と緊張して噛みしめる人が多いようです。のんびり仙人のように暮らせばいいのですが難しいですね。
典型的なのは受験生で、勉強で下を見るのが長いしストレスも多いようで、顎が痛いなどとよく来院しますが、結局は試験が終わると殆どの子は何もしなくても治ってしまいます。一応は早く治るように毎日の注意は伝えていますが。
さらに良い姿勢を保つことと適度な運動(よく歩く、ヨーガ、太極拳など)をされると良いと思います。特にゆっくりとした呼吸法と運動の組み合わせは心の安定にも寄与するので効果的だと思います。どんな治療をしてもこの様な毎日の注意がないと、治療効果がはかばかしくないので全ての人に説明しています。顎の症状が出ていなくても、よく歯や歯肉に問題が出るような人は噛みしめをしている割合が高いようです。
腕時計を使った無意識の噛みしめ防止法について、質問のメールを多くいただきますので、少し追加します。
要は時報を鳴らして気づきを促すわけです。無意識のかみしめは癖です。癖というものは繰り返し注意しないと直りません。となると一番お手軽に繰り返し気づかせるには腕時計の時報ということになります。ただ気づくきっかけは何でも良いので、本当はいろいろなものを組み合わせて気づかせる(リマインダー)機会を増やすようにすると良いです。
ついでですが、無意識の噛みめというと強く噛みしめることをイメージされる方が多いですが、本当はわずかに歯が触れている状態が、一番問題になってくるようです。そのわけは噛みしめがわずかなので、余計長く当たったままになりやすく、本人も気づきにくいからです。
2004.10.31追加
自分でできる寝ている時の対応策、お祈り(マントラ)について
寝る直前のお祈り(マントラ)は噛みしめや歯軋りに効果があります。
寝ている時に自分をコントロールすることは難しいようですが、ある程度は可能です。たとえば、子供の遠足で明日の朝早く起きて、お弁当を作らないといけない時に、寝る前に目覚ましをかけますよね。でも、目覚ましのベルが鳴る直前に、目が覚める事ってありますよね?
これはどうして起きるのかを考えると、目覚ましをセットしている時に、明日は起きないといけないと潜在意識に言い聞かせているから、寝てしまっても潜在意識はあなたをコントロールしてくれるのです。もちろん100%うまくいくわけではないですが、少なくともうまくいくときはあります。
このメカニズムを一番利用しているのが宗教です。いかに宗教の教えを潜在意識に送り込むかを、人類が考え抜いた方法です。
ですから、寝る前に枕元で、自分の信じるもの(仏様、イエス様、アラーの神、お母さん、恋人、自分など何でもいい)にお祈りしてください。
「寝ている時に噛みしめないようにお願いします」
「寝ている時に噛みしめたら目が覚めますように!」
「唇を閉じ、上下の歯を離し、顔の筋肉の力を抜きますのでお願いします」
などとお祈りしてください
手間もお金もかからないので、だまされたと思ってお試しください。きっとうまくいきますよ。GOOD
LUCK !
2007.2.2追加
顎関節症の治療の第一段階は、カウンセリングだと思います。決して歯を削ったり被せることではないと思います。
顎関節症のほとんどは高額な治療にはならないです。
残念ながら日本の保険治療では、カウンセリングに対する評価が極めて低く、顎関節症で最も大切な初診時のカウンセリングを保険ですることはきわめて困難です。しかしこれもほとんどの場合1−3時間で済むことですので、自費でも1-3万円の出費です。とにかくこのカウンセリングをしっかりすれば、多くの患者さんは多大な治療をしなくても快方に向かっていくと思います。
患者様にとっては痛い出費には違いないと思いますが、これだけはぜひご理解願いたいです。そうでないと時間に追われた短時間のカウンセリングしかできません。保険では歯科医が1時間カウンセリングしても、カウンセリングに限れば1円もいただけません。話を聞けば聞くほど赤字になってしまいます。
また、最終的に詰めるにしても冠を被せるにしても、なるべく最低限に済ましたほうが良いと思います。その際にできれば自費になりますが金合金を使ったものがいいでしょう。金合金ほど噛み合わせの治療に適したものはありません。もちろん前歯には使えませんけど。
ですから顎関節症で100-300万円などという全顎的な治療というものはめったにあるものではないと思います。少なくともうちではないですね。それにそんなにお金をかけるくらいなら矯正したほうが良いと思います。矯正でも100万円はかかりませんし、削って被せる歯は極めて少なくなります。
制限はかなりありますが、治療そのものは保険診療だけでも可能です。金合金が一番良いといっても、患者様の負担はありますので、実際は保険診療だけで済ますケースが多いです。ただ治療する側として、はせっかく治すなら良い材料を使って欲しいし、技工士には時間をかけて良い物を作って欲しいので、低予算の保険治療ではジレンマの連続です。
一番困るのは、他院で相当の費用を使ってから不調で来院されると、最も大切なカウンセリングの費用も請求しにくいことです。どうも死者に鞭打つ行為みたいで気が引けますが、本院としても医院が成り立ちません(汗) お互いに本当に困ります。
2012.2.18追加
医科歯科の木野先生が無意識の噛みしめをTCH(Tooth Contacting Habit)と称して解説する番組がありました(木野先生は少し違うとおしゃるかも知れませんが・・・)。おそらくこの癖を大々的に取り上げたことはTV
では初めてだったと思うけど、10年以上前に歯科界で話題になった事が、やっと周知される可能性が出てきて大変嬉しいです。TVではポストイットを利用した方法が紹介されました。
ブログにも書きましたので、よろしければお読みください
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