
乳幼児のアレルギーを減らす情報

先日名古屋の藤田保健衛生大学皮膚科で行われた「歯科と皮膚科連携ワークショップ2010」に参加してきました。皮膚科の先生方と交流できてかなり勉強になりました。
歯科とアレルギーというと金属アレルギーと思い浮かぶ人が多いと思いますが、実際は金属よりも病巣感染という口腔内の炎症が原因になることが多いです。病巣感染とは体のどこかに慢性の感染病巣があり、これ自体は無症状なのに、ここと関係ところで二次的な障害を起こすものをいいます。
例えば、親知らずを抜かずにいると、痛みはなくても歯肉に炎症が起きています。その炎症が原因で皮膚に湿疹が出て、皮膚科に行ってもなかなか治らないで困ることがあります。他にも歯の根っこの先の骨が溶けて膿が溜まっている状態(根尖病巣)、歯肉がいつも腫れていて血や膿が出る状態(歯周病)などが原因として考えられます。歯科ではないですが扁桃腺も原因になりますので、扁桃腺切除もかなり有効な治療法です。
今回の研修会ではじめて知ったことですが、扁桃腺を切って効果が出る時は劇的に早いそうです。歯科治療で治る時は効果が出るまでに月単位は待つ必要があるそうです。また一時的に悪化することも多いそうです。ただ悪化の程度がきついほどしっかりと治るそうです。リアクションが大きいわけですね。
歯科治療で治癒、改善する可能性の高い粘膜、皮膚疾患は以下のとおりです
1)歯性病巣感染
掌蹠膿疱症、多型滲出性紅斑、じんましん、尋常性乾癬、濾胞性乾癬
結節性紅斑、アレルギー性紫斑病、痒疹、アトピー性皮膚炎
肉芽腫性口唇炎、急性苔癬状凍瘡状粃糖疹
2)歯科金属アレルギー
汗疱状湿疹、掌蹠膿疱症、扁平苔癬、口内炎、歯肉炎、口唇炎
貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎,偽アトピー性皮膚炎
4月の初めに同級生で歯科金属アレルギー、掌蹟膿疱症などで実績を上げている押村先生のおしむら歯科へ見学に行ってきました。
金属のアレルギーが疑われる患者様の初診があるということで朝イチで出かけましたが、残念ながらその患者様はキャンセルになってしまい、初診は見ることができませんでした。ただ、再診の患者様が若干いらっしゃったので勉強にはなりました。
ここでも述べていますが
皮膚科との連携が大切で、パッチテストや血液の検査は必須とのことです。
あとDMA検査(金属イオン溶出検査)が有効ということですが、残念ながらこの検査をする機械が販売中止になっているそうです。
実際に私も押村先生に検査していただきました。
そしてその結果は
右下の一番奥のインプラントのチタンは溶出なし。
あと、金合金の冠やインレーはごくわずかに溶出があるが大丈夫という検査結果でした。
今の私の口内にはありませんが、アマルガムはいつも溶出と結果が出て問題は多いようです。
でも溶出が少ないから、アレルギーにならないとはいえません。
溶出が少ないとアレルギーになるリスクが少ないというだけです。
歯科では多くの金属が使われているので、組み合わせも多様で、なかなか金属をそろえるのは難しいのも現実です。