リクエストが有りましたので、TPCの作り方をまとめました
※都合で模型が統一されていません m(_ _)m
2018/5/4 加筆
4月の保険改正でTPCが関係する部分も変更なったのに合わせて
義歯床用アクリリック樹脂(加熱重合レジン)で、義歯と同じ作成法で作るように変更しました
外形などは全く変更ありませんので、ワックスアップしてから石膏で埋没します
割り出し以降は変わりません
技工作業をシンプルにするために色付けはせず透明です
作業模型を割らずに割り出した方が後の調整は楽です
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2 義歯と同じく上顎の模型の口蓋面のアンダーカットをWAXで軽く埋めます。ですのでアンダーカットは殆どない状態ですが、殆どの症例で口腔内に入れると舌がサポートしてくれるため安定しています。セット時に維持不足ならば、隣接面に接する付近に即時重合レジンを少し盛って口腔内で圧接すれば簡単に修正できます
3 石膏分離剤を塗ってから即時重合レジンを盛って作ります
4 即時重合レジンが硬化したら模型から外します
6 レジン体を大雑把に形態修正します
7 レジン体を模型に戻します
8 対合歯に当たらないように注意して、突起部を即時重合レジンを盛り上げて作ります
下の歯に全く当たらない位置と高さに設定してください
できるだけ切歯乳頭付近で、下顎前歯に当たらない位置から
できるだけ後下方に伸ばして7ミリ以上の長さになれば完璧です
ただし7ミリ以下でもダメではありません。できるだけ長くでOKです
バイトが深い人、後方運動距離の長い人の場合は長さも形態も制約されますが
仕方ないので制約された中で形態を決めます
突起部を後下方でなく前下方に作ることもあります。
難しく考えることはないです
まず作ってみて、問題があれば口腔内で削除、添加すればいいですから・・・
どうしてもダメならスポット付近に即時重合レジンを盛って
嚥下時の舌尖をダイレクトに印象を採って概形を作ります
したことはないですが、間接法でも可能です
私なら体温でフローする印象用ワックスとかアダプトールかな?
近頃はセットして1~3ヶ月経った時に
バージョンアップとして、この直接法を実施しています
直接法は正しい嚥下を完全にできなくても
少なくとも正しい嚥下をやろうと経験していないといけないので
通常は最初には適さないです
まずは舌尖をスポットに当たるようになることで60点ギリギリ合格
それから、ある程度使ってもらうと正しい嚥下が少しわかってきて
舌背が口蓋に近づくようになりやっと印象法がOKになります
さらに、あいうべ体操や空嚥下をしながら舌を鍛えて
100点を目指すのが良いと感じています
9 レジン体が全く対合歯に当たらないことを確認してから
舌に好かれるようしっかり研磨して下さい
上の写真はわかりやすくするために
カラーリングしましたが、塗りムラなどで表面が荒れています
この点は無視して下さい
本当はしっかりと研磨してツルツルに仕上げています
ほぼ標準的な形態と考えて下さい
ちなみに下の写真の突起部は7.5ミリです
幅はこのケースは少し細身で角ばった感じですね
対合歯との関係で丸っこくて半円に近い形になることもあります
お世話になります。早速作成し試してみます。今後とも宜しくお願い致します。
TPCにご感心を持っていただきまして、とても嬉しいです
ご質問がございましたら
他の先生にも参考になると思いますので、なるべくここでお願いします
忌憚のないご意見もいただけるとありがたいです
もちろんマイナスのご評価でも結構です
こんなシンプルな装置で、私の夢は遥か彼方ですが
TPCがTCHや顎関節症治療のファーストチョイスの1つになること
もっといえば、歯科のあらゆる治療の初期治療の一つになることです
それほど低位舌によるパラファンクションの問題は広範囲に渡ると私は考えています
よろしくお願いいたします