TPC東京セミナーを開催しました

昨年11月の大阪セミナーに続き、1月に東京でTPCの一日セミナーを開催しました

タイトルは  TPC(舌姿勢補正器)を活用した歯科治療 で、内容は大阪と大差ありませんでしたが、大阪でのご意見をフィードバックしてかなり手を加えました

TPC東京

大阪では予想以上の参加者でしたので、超少数であろう舌に関心を持つマニアックな歯科医は殆ど集合したか?と思うほどでしたし、前夜の懇親会で舌に対する歯科医師の関心は西高東低だそうで、特に関東以北はかなり関心が少ないようだと聞きました

それでも舌フェチ歯科医が各地から11名参加してくださり嬉しかったです
少人数で質問など意見交換がしやすくて大阪とはちょっと違った趣になりまして、Netだけでは伝わらない部分をかなりカバーできたのではと感じました

私の今一番の関心事はTPCの無呼吸症候群と小児のお口ポカンへの応用ですが、特に幼児のうちにお口ポカンを治して呼吸と嚥下を整えて、成長に伴い起きてくる大きな問題を未然に防げたらなんとすばらしい!ことかと夢想してます。なを、治療の協力が得られにくい小児には、取り外し式ではなく固定式の方が効果的と考えています

いずれにせよTPCに限らず、舌に関心を持つ歯科医が増えて、もっと口腔機能に対応できるようになることが未来の歯科治療に大切だと感じており、微力ながら、TPCを通じて貢献したいと思っています

TPCzu1

ネットによる発信だけでなく、一度は歯科医師に直接アピールしたいという個人的な想いを、大阪と東京でTPCの研修会を開催することにより達成できましたのでとても嬉しかったです。今後は実践してくださる歯科医師のフォローをさせていただきながら、臨床の場で地道にTPCの可能性を追求していきたいと思っています

もしも、医療従事者でTPCに関心を持っていただけました方は、以下のFBのグループにご参加ください。双方向のやり取りが可能です
   低位舌を治すTPC(舌姿勢補正器)を活用した歯科治療

また、今のところ私が主催するセミナーの予定はありませんので、もしもご希望があれば、受講者が少人数でも宣教活動?に伺いますので、ぜひお声がけください m(_ _)m

いびき、ドライマウスが改善 TPC患者アンケート 15件

 TPCの総作成数はたぶん150件を越えているはずですが、患者アンケートまで辿り着いたケースが109件になりました。アンケートはTPCセット後2ヶ月ほど経って効果がある程度確定してから取るようにしていますが、来院してもらわないとアンケートが取れませんので、半年以上後とか来院せずアンケートが取れない人も出てきます。ともかく、EBMに程遠い簡単なアンケートですが、3桁になればそれなりの意味があるのではと思い100件を目標にしてきたのでとても嬉しいです

 最近は顎関節症、TCH、歯ぎしりよりも、いびき、ドライマウスが主訴の患者さんが多くなっています。つまり、つい噛んでしまう問題よりも口が開いてしまう問題の患者さんが多いです。ただし、低位舌に着目すると、本当は殆どの患者さんはどちらにも問題はありますが、ご本人が気づいていないだけと私は考えています

 もしかして近郊の顎関節症の患者さんを治し尽くしてしまったのかな?
と思ったりしますが、まさか、そんなことはないはず
ぜひ顎関節症、TCH、歯ぎしりの患者さんにも来ていただきたいですね

 さて、下のアンケートが2つ前のブログにアップした爆音いびきの患者さんです
2階で寝てて一階でもいびきが聞こえるという強者ですが、最下部の自由欄の記載を見ると経過は良いようです(自由欄に赤黒の全く同じ記載もありますが、患者さんのミスで赤の術後です)。この患者さんはつい噛んでしまって起きる症状は殆どないようです

爆音いびき109

 今回の15件のアンケートのうちドライマウス、いびきなど就寝中に口が開く問題の患者さんが8名ですが、なんとすべての患者さんで効果が出ています
誇大評価?のそしりを受ける恐れが大ですが、これほどドライマウス、いびきに効果的な装置があるか?と自負しておりますので、ぜひ、多く歯科医に活用していだきたいと思っております


さて、TPCを使わなくなった原因を考察してみます

1 TPCが効果がなかった人
2 TPCで治ってしまって使わなくなった人
3 諸事情で通院しなくなり不明の人
4 その他

 1はTPCを口内に入れることができないことが一番の原因のようです。TPCの装着感はマウスピースとしては特に優れていますが、それでも日中はいいけど夜セットして寝ることができない人が5-10%ほどいるようです。また、セットしたけど効果が出なかった(本当は少し出ているけど気づかないも含む)という人も10-20%ほどいると推測しています。対策はどちらも日中にセットしてTPCに慣れるように指導していましますが、それを実行しないと効果が出にくいです

 2は歯がしみる、歯肉の腫れ&痛みなどで装着した人が多いとようです。これらの症状にはTPCが速攻的に効くケースが多いので、症状が取れると装着する必要が無くなったと勘違いするため使わなくなります。本当はTCH絡みなので継続して使っていただきたいのですが、喉元過ぎれば・・・ですので仕方ないですね。まあ再発すれば、すぐに使ってくれるはずです。

 3、4は調べようがないですが、TPCが全く効かなくて本院を見限った人を含んでいると思います

 

患者アンケート結果 No92-112

 

 

いびき 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)

業界紙を読んでいたら、Tongue Lab 社の TRP (Tongue Right Positioner)という装置の記事があり興味を持ちました。低位舌を治すアプローチ法が違うので形態は全く違いますが、本院のTPC(Tongue  Posture Corrector)と目的は同じ装置なので、ネーミングが似ていて殆どの方は区別できないと思います

TRP

今秋より日本でもTongue Lab 社の活動が始まるそうです。競合する装置がいろいろあると、低位舌の悪影響に関して、世の中の認知も少しは上がるのではと期待しています

TRPの効果は未確認ですが、TRPは30年以上も前から存在しており、それなりの効果があり存続してきたのでしょうから、5年足らずのTPCも見習うべき点があるでしょうね。写真を見ると舌背部から舌根部を刺激して、舌位を正そうとするもののようです。推測ですが、TPCよりも複雑で作るのは難しそうですから、多少高価になるでしょうね

詳しくはHPをごらん下さい
このHPで紹介している効能は低位舌を治すと得られることなので、本院のTPCでも期待できるはずです
とてもセンスよくキレイに効能が紹介されているのでちゃっかり便乗させてもらいます
本院のHPは私の自作ですので全くかないません ^^;

https://www.tonguelab.net/youkoso

 他にも

ナステントいう装置があります
緊急救命時の気道確保の手法を応用し、鼻にソフトなチューブを挿入することで気道を確保するという、まったく新しい発想で作られた一般医療機器です
と紹介されています

nastent

個人的には低位舌を治すものではないので、TPCとはあまり競合しないと思いますが、低位舌が原因と思われるのにTPCで効果が出ないケースでも試してみる価値はあると思います。但し、今のところ子供には使えないようです

HPにも
イビキや睡眠時無呼吸の原因は、3分の2が上気道の狭窄や閉塞で、3分の1が舌が落ち込む舌根沈下の2つがあります。ナステント™は、上気道の確保に機能しますので、3分の2の上気道の狭窄・閉塞によるイビキ・無呼吸には効果が期待できます。舌根沈下がメインでイビキ・無呼吸を発症する方は効果が低いです。
とあります

ですので、おそらく肥満系の患者さんにはいいのでしょうね
TPCやTRPは肥満系には効きにくいでしょうから、ある程度住み分けができるかも知れません

https://nastent.sevendreamers.com

 いずれにせよ、シーパップを使わなければならないまで悪化させないようにしたいです

c-pap

TPCで低位舌を修正していびきを減らすことによって、多少でも閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)を予防できればと思っています




最後に私の友人が開発した低位舌を治すトレーニング器を紹介します

Keep Up    宗廣素徳 先生      https://www.keepup.jp/
      keepup

くちふうせん 山下久明 先生    https://www.kuchifuusen.com/
      くちふうせん
 

TPCのバージョンアップ

 最近はTPCをセットして1~3ヶ月経った時にバージョンアップしています

 バージョンアップは正しい嚥下をある程度、体で理解していないといけないので、最初には行っておりません

  まずは舌尖をスポットに当たるようになることで60点ギリギリ合格
  それから、ある程度使ってもらうと正しい嚥下が少しわかってきて
  舌背が口蓋に近づくようになりやっと直接印象法がOKになります

                ↓お詫び_装置が統一されていません

  a1170621秋001

  ↑凹み周辺を削り新鮮面を出します

  e1170501B02

  ↑即重レジンを盛ります

  e1170501B03
  ↑辛いので水につけてから口腔内に入れて3回嚥下してもらう  

  a1170621秋002

  ↑口外に取り出してすぐに余剰部分をガーゼで拭き取ります

  a1170621秋006

  ↑研磨後です

  c1170617E01  
  c1170617E01

  ↑他のケースの研磨後です
  わかりやすくするために白の即重を使うようにしていますが、どんな形になるかは舌におまかせです

 

バージョンアップにより舌とのフィット感は向上するので
最も重要な就寝時における舌姿勢がより改善します

さらに、あいうべ体操や空嚥下をしながら舌を鍛えて、舌背が口蓋に付くようになり、正しい嚥下を無意識にできるようになって欲しいと感じています

 

 

爆音いびき治った! TPC舌姿勢補正器

セットしてから日にちが経っていないのでアンケート前ですが、いびきで著効例が出ましたので速報です (^^)

70才女性でPMTCで長年通われている患者さんなんですが、たまたまDHが会話の中で「いびきがひどくて、友達と旅行にも行きにくく困っている」と聞いたため、私に報告がありTPCについて説明して作ることになりました

治療の結果は以下のDH記載記録にあるとおりです

3/29 印象 4/12 セット 5/12 治った
ということで他の来院日もなく、他の治療もしていません
唯一、TPCを入れただけです

いびきpc20170513
   ↑ クリックすると拡大できます

ここまでの成果は珍しいですが、いびきについてはかなり手応えを感じています。いびきの根本的原因の一つである低位舌を改善しての効果なのでいいじゃないかと思います

足のつっぱりがなくなったというのはよくわかりませんが、患者さんによるとTPCを入れてからだそうです

田舎の無名歯科医の報告ですので、報告がかなり胡散臭く思われる可能性大で、またオオカミ少年(かなり薹が立っています)が吠えていると言われかねませんが、ぜひ多くの先生方にこの嬉しい体験をしていただきたいです

 

ps
TPCはいびきに効果があるのでSAS(無呼吸症候群)に予防的効果はあるはずですが、ここまで効くとSASを治せないかと欲を出していますが、残念ながら未だ結果が出ていません

 

いびき TPC(舌姿勢補正器 Tongue Posture Corrector)

 アンケート結果を6ケース追加し73ケースになりました

 最後の73ケース目はいびきが主訴の患者さんでした。60歳台男性で多少小太りなので、無呼吸(SAS)の傾向がある可能性もありますが、「口が渇かなくなって、いびきをしなくなったと家族が言っている」ということで、上手くいったと患者さん共々喜んでいます

 低位舌を修正して根本から治すTPCの方が近頃広告しているナステントよりも優れていると、我田引水&手前味噌ですが自己評価しております

 先週も60歳代女性がTPC装着1週間で「いびきが治った、口が渇かなくなった」と言ってくれました。詳しく分析していませんがいびきを気にしていた患者さんの少なくとも半数はいびきの改善&口渇の改善しています。他にも56番70歳代女性はシーパップを止めてからTPCに出会いましたが、夜中にビックリして起きることがなくなり、日中も眠くならなくなったと今日伺いました。

 いびきに対して有効な対処法がない現状では、TPCを試す価値があるのではないかと信じています

 もちろん、あいうべ体操などの舌のトレーニングなどの説明をして訓練をおすすめしています

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 ↓ 下の文字をクリックすると集計表が開きます 2016/11/2 73ケース

エクセルアンケート集計表

 表の見方はこちらをご覧ください